出版

多くの人の悩みを解消したい! が原点

 今回で坂口さんとのブログ対談も最後の回になりました。やはり、編集者として起業家に最後に聞いておきたいことは、なぜ、本を書こうと思ったのかということです。1冊作るには5万字から7万字ほど文章を書かなくてはなりません。

 事業で忙しい身の坂口さんにとっては、そうとう負担の大きい事なのにもかかわらず、

 私への企画のプレゼンの熱意はすさまじいものがありました。

 「起業家にとって出版とは?」というところにも通じてくるものがあると思います。

 早速聞いていきたいと思います。

なぜ、出版だったか?

―最近はネットで情報発信をすることも可能です。本を書くよりも自分という存在をしってもらうことはSNSなどの方が簡単だと思うのですが、なぜ、本を書いたのですか?

 おそらく、ほとんどの方と同じだと思いますが、「本を出す人≒超一流の人」という認識でだと思います。

―私も編集者になる前はそうでした
 ただ、自分はもちろん、そんな人になれるとは思っていませんでしたし、なるつもりもなかったので、「本を出したい!」とは、当初は明確に考えていませんでした。

 しかし、独立した直後に、大学時代の友人が「自分は大手老舗出版社からマーケティング本を出版することになった」「独立した直後の人間こそ、出版がオススメだよ」ということを、数字などを使って具体的に紹介してもらったのがキッカケで、「本を出したい!」という想いを持つようになりましたね。

 ここでは具体的なデータをもって話すことはしませんが、ブランディングになること、自分の事業を具体的に説明できること、ノウハウを開示することで、多くのかたの悩みごとを解決できることが、私が出版を目指す後押しになりました。

―詳しく教えてもらえますか?

 自分が溜めたノウハウで、セミナーなどをやり、悩みを抱えている人を助けることはできると思います。ただ、それはその場にきていただいた方だけです。そうではなくて、僕はもっとレンタルスペースの集客に困っている方にも、自分のノウハウを届けたいと思っていたのです。また、事業規模が小さい会社だと、なかなか、信用をしていただけなかったり、自分の事業を説明したりする必要がありますが、プレゼンや商談時に本を渡したりすることで、多くをかたらなくても私がやろうとしていることや想いに共感をいただく機会が増えました。

―なるほど、それは聞いていてとても嬉しいですし、こうやって教えてもらわないと、わからないことなので、ありがたいです

 とはいえ、お金を出せば本を作れる自費出版では、意味がないと思っていました。と言いますのも、ネットで調べていくと、あまりいいうわさが無かったからです。ですから、やるのであれば、出版社さんから印税をいただいて本を執筆し、全国の書店に流通する商業出版を目指そうと考えました。ただ、なかなかハードルは高かったですね。

―商業出版だと、部数も多くなります。在庫を抱えるリスクも出版社が負うので当然ハードルは高いですし、しっかりとしたものを作らないと、読者からも厳しいレビューがきたり、書店員さんにも「ここは手を抜いているな」と見透かされてしまいます。そういったものを作れる作家かというところも判断基準になるので、どうしても企画が通る確率は少なくなりますね

 そうですよね。それに独立した直後は、専門性も著者にふさわしい実績や経験もなかったのです。時間はかかりましたが、三田さんと縁があり、30歳の誕生日直前に出版が決まりました。

―なかなか面白い出会いでしたよね

 本当にそうですね! たまたま著者の方が多く集まる飲み会でご一緒させていただいて、お酒の影響であまり頭が働いていない状況でしたが、親切なYさんにフォローしていただき、三田さんにレンスペの魅力をお伝えしましたよね!

 クリスマス前のあの日のことは、死ぬまで忘れないと思います。

―たしかに、あのときは物静かな木鐸な人間だと思いました

 たぶんそうですよね!自分でもびっくりするくらい頭が回っていなかったので、どんくさい第一印象だったかもしれないと反省しています。

 第一印象はあまりスマートではなかったと思いますが、その後にお仕事をご一緒させていただいて印象は変わりましたか?

―仕事が早いのと、しっかりしているなという印象になりましたよ笑 第一印象が良くないときは逆に挽回のチャンスなんだなということを学びましたね笑 偉そうにすみません… あとは、レンタルスペースへの想いと、自信があるんだなと再認識しました。

 それは良かったです! ちょうど、執筆期間は、約2週間のハードな出張と重なって、この1年の中で一番忙しくて肉体的、精神的に厳しい時期でしたが、一生懸命お仕事してきた甲斐がありました。

 今まで経験したことがないくらい、三田さんの仕事のスピードが速かったので、三田さんのスピードになんとか追いつこう!!という思いでお仕事をご一緒させていただいたおかげで、仕事のキャパとスピードがレベルアップしたと思っています。

―それは坂口さんのノウハウがあったからというのも大きいですね。僕が疑問におもったことをわかりやすく書いてくれましたから。しかもスピーディーにね。やりたいことがみつかって数年間必死になってきたから得られた知見だったんでしょう

 ありがとうございます! 自分の人生をすべてぶつけようというスタンスで執筆したのでそういっていただけて嬉しいです。あと、今回のインタビューの準備で、過去・現在の経験や想いを言語化することで、言語化能力やライティング能力をまた上げることができたなと思っていますので、出版も、今回のインタビューも貴重な機会をありがとうございます。

―これは作家の先生みんなに聞きたいことなのですが、出版して良かったですか?

 本当に良かったと思っています。スペースマーケットさんで出版記念イベントを開いていただいたのですが、上場企業で自分の名前を冠したイベントを開いていただけるなんて、弱小企業の代表としては光栄過ぎる出来事ですよね。 

 あとは、東洋経済オンラインさんや、ZUU onlineさん、幻冬舎ゴールドオンラインさんに記事を出していただいたり、日経新聞に本の広告を出していただいたり、ヤフー・ニュースに掲載いただきましたので、起業家として、すごく有り難いです。

―出版して変わったことはありますか?

 とても多くありますね。まず、先ほどもすこしお話したように周りの反応が変わったのは、分かりやすい変化ですね。親も起業をした時には不安そうにしていましたが、こうして本をだしたことで、自分がやっている事業を温かい目でみてくれています。取引をする際にも自分のやっていることを理解していただきやすくなりました。

 あとは、出版したことで、さらに本を読むようになりました。いわゆる著者仲間との付き合いで読むことも多いのですが、文章の書き方や、本の構成なども気にするようになりました。例えば、「こんな”はじめに”を書かれたら、絶対に買って、続きを読んじゃうな」とか、「分かりやすい文章だけど、どうやったら、このような文章を書けるのかな?」「値段の割に内容が濃くてすごいな」みたいな感じですね。

―本を読む視点が変わったのは面白いね。最近、刺さった言葉とか、いわゆる好きな言葉って何かありますか?

 刺さった言葉は思いつかないのですが、著者目線で面白いなと思った本ならありますね。

まず、三田さんが手掛けた『世界のビジネスエリートを魅了する 教養としての着物』です。

―無理しなくていいですよ笑

「教養としての」というタイトルが書いてあるので、難しい本なのかな? と思ったのですが、すごく読みやすいです。情報量は多いにも関わらず、簡潔で分かりやすい文章で、すごいなと思っています。著者の上杉さんみたいなライティング能力を身に着けねばと思わされました。

―他には?

 あとは、他社で申し訳ないですが、『トヨタの会議は30分 ~GAFAMやBATHにも負けない最速・骨太のビジネスコミュニケーション術』です。

 “はじめに”を読んだら、すごくワクワクした気分になり、さらに本を読み進めねば!と思わされる本でした。さすが10万部のベストセラー本です。

 好きな言葉は「雪が降っても自分の責任」です。

 「雪が降っても自分の責任」という言葉は、大学生の時に起業家支援をしている会社でアルバイトしている時に、その代表が口にしていた言葉です。その会社のクレド(行動指針)にもなっていました。

 よく「雪が降ったので遅刻しました」とケロっとしている人がいますが、それは他責。

 雪が降るのは自分では変えようがないですが、雪が降るのが分かっていたら、いつもより早めに家を出るなど、できるはずです。何事も自分の責任だと考えることで、目の前の状況が変わってくる、ということを説く内容なのではと解釈しています。

―自責だから成長できると?

 そうです! この言葉をキッカケに、自責で物事を考えられるようになったと思っています。PDCAという言葉がありますが、前提として、自責じゃないと回らないと思います。

―ありがとうございました! 4回に渡るインタビューはどうでしたか? 

 すごく貴重な経験でした! 先ほどと重複しますが、インタビューの準備で自分の思いなどを言語化することで、言語化能力を向上できたと考えていますし、過去の頑張っていた時を思い出したおかげで、あの時のように今も頑張らねば! と思えるようになりました。

―初心にかえるって大事ですよね。自分も先日編集者になりたてのころの企画書が出てきて、「こんなに面白い目次案をつくれていたのか」とびっくりしたのですが、その頃は必死だったんだと思います。

 本当にそう思います。ここからまた、はじまりですね!

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