今回は起業して20年の女性起業家に話をききます。
今まさに起業を行い、日々目の前に全力投球をしている方々の話のほかに
起業して年数がたち、それでもこれからを追い続ける起業家の話双方を
掲載することで、お読みいただく方々にこれからの未来を考えるきっかけになったら
と思っています。
今回は私の担当した『儲かる会社はホームぺージが9割!』の著者芝田弘美さんにお話をききました。
芝田さんのプロフィールはこちら↓
シンプルに会社をつくってみたかった
―芝田さん、お忙しい中今回はインタビューを受けていただきありがとうございます。
横浜で20年以上会社を経営され、従業員も多数お雇いになられている、経営者にインタビューをするのは今回が初めてです。
そんな芝田さんにだからこそ聞きたいのが、何故起業されたのかということです。
ありがとうございます!
最初から「こうして、こうやって起業しよう」とか「将来はIPOを目指すぞ」とかそういったことを考えてやっていたわけではないのです。正直なところ自分でどこまでやれるのかしりたかったというのがあります。
会社組織では、どうしてもまわりに合わせてやっていかなくてはならないし、貢献度に見合ったリターンはありません。
なので、起業して自分ですべてやってみたくなったのです。
つまりシンプルに『会社をつくってみたかった』から。
そもそも、子どもの頃から自営業の家(ヤマザキパン販売店)で育っていて、小学校1年生の時から仕事をしていたようなものでした。
ですから、自分で事業をするのは、あまりハードルが高くなかったんです。
5年ほどWeb制作会社にいて、「上司より仕事できるのでは?」と、勘違い(笑)したことから、起業しようと思ったんです。
―あはは! ただ、親の影響はでかいですよね。 そして、起業という事業形態が目の前にあったのも大きいですよね。
はい! ただ、同じことをやるよりは、せっかくの人生です。
なので、自分の親も経験したことがない、会社にしてみようと思いました!
当時は、資本金の制限があったので、300万円で有限会社を設立。自分で登記しました。
―なるほど! 起業でいえば、サラブレッド家系の芝田さんに思えますが、実際起業をしてみて、いかがでしたか?
大変でした! 一番は人間関係です。
経営パートナー、従業員と3人で立ち上げたのですが、人間関係が特に大変だったんです。
マーケティングとWeb制作力に自信があり起業したのですが、そこで実感したのは、人を動かす知識や技量は、磨いたことが無かったため、「ゼロ」だったという事です。
仕事に人生もお金も全てをかける自分と、そうでない従業員では、認識が全然違うことに気が付いてなかった。
経営パートナーに関しては「なぜ自分と同程度に働いてくれないのだろうか? なぜ売り上げを上げる方向で考えてくれないのか?」と思って、毎日悩んでいました。
あまりにも価値観が違っていたのと、勤務態度が良くなかったため、「一緒にはやれないこと」を伝えて会社を辞めてもらいました。
―そういう決断ってやりたくてもできない人はいっぱいいると思います。
そうなんでしょうね。
ただ、売り上げが下がれば、従業員に給料を払い続けることができなくなってしまいます。
おそらくじりじりしてくれば、誰でもやる決断なので、そこはそうなってから考えても全然大丈夫ですよ(笑) 起業する前から不安に思うことはないです。
その後、苦しいながらもしっかりと会社経営を行えるようになり、従業員に賞与を出せるようになりました。
「ようやく一緒に走ってくれた従業員にまとまった給料をはらえる」と安心したのですが、その翌月に「退職したい」と言われて、精神的にキツかったです。
ーうーんきついですね。。。
今思えばこれがキッカケだったのだと思います。
それから盛和塾(盛和塾は、1983年に稲盛が京都の若き経営者の方々から「いかに経営をすべきか教えてほしい」と依頼されたことを機に、25名で始まった会です。主に「心を高め、会社業績を伸ばして従業員を幸せにすることが経営者の使命である」とする稲盛和夫さんの経営哲学を学ぶ会)に入って、経営の勉強をし始めました。
「人の心を動かすにはどうすればいいのか」改めて勉強したいとおもったのです。
ただ、それでもしばらくは、伝えるのがうまくいかず失敗ばかりでしたが。
そのため、話し方も習いにいったほどです。
そういった努力をして徐々に話し方や伝える力が身に付いていきました。
当時を振り返ると、かなり改善できたなぁと感じています。
「従業員に説明を行い、納得してもらって動いてもらう」それができるようになっていくことで仕事もスムーズにでき、経営効率も上がっていきました。
結果業績も上がり、従業員を増やすことができまして、現在9人で運営しております。
今後も継続して採用活動をつづけられたらなと考えていますし、若い世代からは刺激をもらうことが大きい業界なので、新しい世代との出会いは楽しみです。
―けっこう浮き沈みが激しい起業家人生だなと感じます。ただ、すべては人間関係に集約されているなと感じます。経営パートナーとの別れや、当時の従業員の退職、そして人間関係を重視する「盛和塾」への入会、従業員数を増やせている今。人へのアプローチが経営の全てだと思い知らされますね。
ありがとうございます!
それは私のホームページ集客メソッドの重要な一つにもなりました。
テクニカルではなく、どうすればユーザーが見やすいホームページになるか、悩みを解決できるホームページになるかを考えてずっとやってきました。
例えば、かつて苦労した人間関係においても、インターネットを調べれば、密度の濃い情報がでてきて、悩みが解消できることが目指す方向です。
そこに難しい概念や横文字は必要ありません。
ホームページを運営するクライアントにもそういった視点で改善策を伝え続けています。
そういった想いを2022年12月に出版した『1日1テーマ読むだけで身につく ホームページ集客大全100』に注ぎ込みました。
さて、今まで辛い思いを中心に語ってきましたが、では逆に起業してよかったことは何かを最後にお話ししたいと思います。
ーぜひお聞きしたいですね!
ひとつは、仕事を自分でつくれること。
100%自分の責任で、仕事ができるのが、とてもやりがいがあります。
成功しても、失敗してもすべて、跳ね返ってきますので、PDCAをしっかり見ようと思いますし、「従業員ともリレーションをとってわかりやすくすすめていこう」という気持ちにもさせられます。
あとは、上司がいない気楽さもいいですね( ´∀` )
私が会社員として働いていたのは、ずっと前なので、古い話になるかもしれません。
自分は女性なので、会社では男性上司からは「女性はこんな役割をするべきだ」などと思われ、同性からも「女性はこうしたほうがいいよ」と言われたりして、生きづらかったんですよね。
ただ、社長になったら、性別があまり関係なくなるのが良かったです。
経営者の目指すもの次第で世の中にドラスティックな影響も与えられるし、持続可能な社会のためにアクションを起こすこともできます。最高です。
二つめは、従業員が成長してるのを見るのが、楽しいのです。
社会人として活動しつつづけて、やっと、人を育てる意識が自分にもできてきたと思います。そして、もちろんまだまだ道半ばです。
さらなる学びを深めるために、経営者同士の交流会や、三田さんなどの異業種の方との交流、そしてなにより本から学びを得て、人材教育を行っていきたいと思います。
―熱い想いをありがとうございます! それでは最後にこれから起業する人に向けてエールをいただけたら嬉しいです。
成功するまで続ければ、失敗はしないです(^^)。
われわれは義務教育を経て、正解ばかりを要求されてきました。しかし、そんなに簡単に正解が見えることは社会に出たらありません。
寧ろ失敗ばかりです。
でも失敗を修正していくことで、必ず成功できると思います。
最初はめんくらうかとおもいますが、どんどん失敗して成功を手に入れてください。
そう! どんな人でも、起業したいと思えば、してしまえば良いと思います。
これ! と思ったことは、集中・継続して取組めば、実現できます。
ただし、早く多く稼ぎたいからと、本業以外の投資で稼ぐのは、損するのがオチ。
努力は裏切らないので、わき目もふらずに頑張ってください!
そして、自分がやりたいことをし通して成功をもぎ取ってください。
ー芝田さん、ありがとうございました! 次回は、Web業界にいながら、出版を決めた芝田さんの想いに触れていきたいと思います。