今回は先日インスタライブで対談をした、遠藤早智さんとのお話をダイジェストで振り返りたいと思います。
忙しいビジネスパーソンにむけて、自身の考案したメソッドや料理の本を出すことを決意した理由、出版に関するお話をしていただいたいので、ぜひご覧ください。
遠藤さんは2022年7月に料理書の『わたしも家族も笑顔にする 幸せキッチン』という本を出版しました。
遠藤さんはご家族の介護をしながら、おいしく健康的な料理を作ってきました。
今、夫婦共働き世帯が増えている中で、時短レシピのニーズは上がっていますが、多忙な中でしっかりと料理をされてきた経験をもとに、日々忙しく、大変な思いをしている方々にむけて本を書きました。
―時短料理を考案したわけは?
そもそも今こうして、料理を教える仕事をしているのですが、実は結婚した当初は料理には自信がありませんでした。
ただ将来を見据えたときにやりたいことをたくさんやるために、時間を捻出したいと思い、料理に没頭しました。
1日3食、自分の子どもたちに良い食事を提供しようと思い、手作り料理を作ってきましたが、それには時間がかかります。
そして、1日3回台所に立たなくてはなりません。ですから、そこで時短ができると効果は大きいと思っていました。
そういう経験から「料理が苦手」という方にむけて料理教室をスタートさせました。
実際、料理の時短ができたときにとてもうれしくて、それを知り合いに話したところ、「そういったメソッドがあるのであれば、ぜひ教えてほしい」というお声をいただけたことも、料理教室立ち上げの支えになりました。
また、家族が在宅介護の必要な状態になり、さらなる時短が必要になったのです。
時短をメソッド化する必要があったので、体系立ててまとめて「ダンドリクッキング」という手法を考案しました。
もちろん現在も介護をしながらやるべきことをやる、やりたいことをやるために、時短でおいしい料理をつくるメソッドを磨き続けています。
―娘さんのお弁当を作っていらっしゃる姿がほほえましいです
毎日娘のお弁当は作ってアップしていますよ! それは忙しいビジネスパーソンの方々のライフスタイルに合わせるためです。 「忙しくても料理をやるにはどうすればいいのか?」と悩んでいる方々の生活を知らなくてよいコンテンツは作れないと思っているからです。
↑上記写真をタップすると、遠藤さんのInstagramへジャンプします
―ダンドリクッキングは何分で料理をつくることを目安にしていますか?
30分で3品栄養バランスの良い食事をつくることを目標にやっています。
そのためには献立の決め方、スーパーでの買い物の仕方、冷蔵庫の整え方など料理以外のところも改善する必要があります。
それに関しては詳しくは『幸せキッチン』に書かせていただきました。
「つくおき」なども流行っていましたが、個人的な考えはできたての料理が健康にも味の良さにも直結するので、すぐにつくって食べてもらうためのメソッドをダンドリクッキングには盛り込んでいます。つくって冷蔵庫にいれることで、鮮度や味が落ちます。それでも何日か後に食べやすいということはそもそも濃い味付けをしているのです。つまり、健康に悪いということです。
また、特徴としてはレンジを使わないことです。
レンジをつかうことで栄養を破壊してしまいます。
ダンドリクッキングは健康な料理を時短でおいしくつくることを目指しているので、使用を控えています。
そして、下ごしらえはしなくていいのです。
下ごしらえをすることで、下ごしらえをする時間を作ってしまっています。
そうではなく、一度の料理ですべて終わらせるのが理想なので、私のメソッドではカットしています。
ダンドリクッキングをするためのいちばんのコツは、料理を作り始める時間を決めることです。
たとえば、20時に料理をつくって20時30分までに食べたい場合は、仕事の切り上げ方なども決める必要がありますし、もちろん献立なども決めておくとスムーズです。
いつも料理する時間を決めることで、一日の行動パターンがかわるので、お勧めです。
―ふつうは料理の中での時短をどうするか? 考えるのに、それ以前のことなどを変えることを提唱しています。それには理由があるのですか?
たしかに料理を手際よくつくることはとても重要です。
それによって料理の味がよくなることも、あると思います。
包丁の使い方をかえたりすれば、確かに1~2分の節約にはなるでしょう。
ただ、調理時間を10分くらい短くするためにはそういったメソッドを10個以上使わないといけません。それをマスターしたり、慣れない方法を試し続けながら節約できる時間は10分から15分くらいです。
時短ということを考えた場合は、料理の中だけの時短をしてもさほど時間を節約することはできません。
それよりは、献立に悩む時間を削ったり、買い物に行く頻度を減らしたりすれば、より多くの時間を削れると考えていますし、実際家族の介護などをしながら時間を捻出するために役立ったことはそういったことでした。
とくに私の料理教室の生徒さんをみていても感じることは「献立に悩む時間は長い」ということです。
SNSやレシピサイトができて便利な世の中になった反面、そういったものからどの献立にするべきかを悩む人が多くなっているなと実感しています。
そして、行き当たりばったりで献立をきめるので、買い物したときも余計なものを買ってしまったり、何を買うかで悩んでしまったりするので、ダブルで時間がかかる状況をうんでしまうのです。
情報がありすぎて取捨選択する時間がかえってふえているので、それを削るためには1週間分のレシピを事前に決めておくことが超重要と考えています。
―ありがとうございます! 料理に熱い気持ちをもっている遠藤さんですが、そもそもなんで本を出そうと思いましたか?
料理の本はたくさんでています。しかし、それでも料理に関する悩みはつきません。
「おいしい料理がつくれない」という悩みに関してはたくさんの料理書・レシピ本があるので、そういった書籍がニーズに応えるものとなるでしょう。
しかし、近年は夫婦共働きが当たり前の時代。
忙しい家庭でも健康的でおいしい料理を食べられるようになるには時短のメソッドが必要です。私は介護をしながら、時短と健康的な料理をつくることを実践してきましたので、現代のビジネスパーソンの料理の悩みに応えられるのではないかと考えたのです。
また、家族が介護状態になったときに、精神的にとてもきつく、誰にも相談できなかったため、ひたすら自分の悩みに向き合える本を読み続けていました。
たくさん読んでいたということと、だいぶ前の話なので、パッとタイトルが出てこないのですが、読んだ本の中で「今起きていることはあなたが乗り越えられることだから起こっている」というようなことが書かれていました。それで私は気持ちを前向きに切り替えられることができました。
私もそういった本をつくることができれば! この体験が最大の後押しでした。
遠藤さんの経歴は下記のとおりです。
遠藤 早智 (えんどう さち)
一般社団法人時短料理マイスター協会 代表理事
ダンドリクッキング®代表
22年間に延べ約7000名の料理指導。主婦歴29年。時間がなく料理が憂うつな人に、短時間で美味しく栄養バランスの良い3品を30分でラクに楽しく調理し、時間と心に余裕ができるサポートを行う時短料理マイスター®。
獨協大学外国語学部卒業後、旅行会社に勤務。莫大な仕事量を効率的にこなす段取り力と時短思考を体得。
料理に自信がなく結婚し、出産後家族の健康と仕事復帰、将来のため調理に没頭。苦手を克服したい主婦のために料理教室をスタート 。家族の在宅介護からさらに時短になる料理の必要性に迫られ、時短思考ダンドリクッキングを考案。2015年より時短メソッド伝授。
ベトナムのドンア大学にて日本の料理を講義、日本橋三越本店ワークショップにてセミナー調理実演、ラジオ出演、料理コラム連載。
資格:腸内フローラアドバイザー・サプリメント管理士・整理収納アドバイザー・
趣味:旅行とプラン作成、着物、茶道、音楽