モチベーション

定年後大切なのは、「これから、どう生きるか」を考え続けること

さて、大杉潤さんとの対談も最後になりました。

大杉さんとのこれまでの対談をして、重要だと思っているのは下記の事項です。

・先を読む力 →コロナがきたとき大杉さんはオンラインシフトのために、投資を惜しみませんでした。そして、これが今のビジネスにレバレッジをかけたのは前回の記事にも記載があります。

・インプット →とにかく、本をよむこと。そして、それを実践すること

・発信 →専門家としての立ち位置を築くために、なんでもいいので、発信を継続すること。大杉さんの場合には人生の母艦としているブログでした。

 →大杉さんのブログ

どれも重要なファクターなのですが、今回はそのなかでも、ぼくは大杉さんの特徴だと思っている「先を読む力」を深ぼりし、伝えていきたいと思います。

「65歳高齢者」となる起業8年目からの戦略!

いよいよ来年5月に私も65歳となり、「高齢者」の仲間入りをします。起業8年目に入り、どんなことを考えているのかを今日は初めて具体的にお話しします。

―気になりますね

まず、マネープランからです。

今年3月に出版した『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)に書いた通り、老後マネープランの基本は「WPP」です。

 W:Worklonger(長く働く)= 先発

 P:Private Pension(私的年金)= 中継ぎ

 P:Public Pension(公的年金)= 抑え

 この中で、最も大切なのは最初の「Worklonger」なので、働きつづけます。最後の抑えとなる「公的年金」ですが、今は特別支給の老齢厚生年金を受け取っていますが、これを65歳にはいったん止めて「繰り下げ受給」を選択します。

―マネー編は先読みサイトもあるので、確認してください。

何歳まで繰り下げるかを予め決めて宣言する必要がないのが日本の公的年金制度のいいところです。受け取りたくなったらその時に「年金受給の裁定請求」をすればいいだけで、65歳になる3カ月前に届く「裁定請求の書類」を提出せず、何もしなければ繰り下げ受給を選択したことになるのです。

 まずは65歳からの働き方として、ファミリーカンパニーで「5カ年の事業計画」を考えています。当面は事業収入があるので、厚生年金は5年繰下げて70歳から1.42倍になった年金を受給、基礎年金(国民年金部分)は10年繰下げて1.84倍になった年金を75歳から受給するつもりでいます。

まあ何歳まで仕事があって稼げるかわからないのがフリーランスなので、仕事が取れなくなったら、その時点で受給の申請をします(笑)。

―なるほど!

「自慢に聞こえて反発を受けるからあまり言うな」と家族には注意されているのですが、もう明日から仕事が一切なくなっても、何歳まで生きても老後資金にはまったく不安がない状態を、起業して7年間で作ることができました。

―難しいですよね。。。やっぱり大杉さんが提唱していることがうまくいっていることを発信しないと、だれもやろうと思いませんからね。

ありがとうございます! 今は現役バリバリなので、埼玉と伊豆のデュアルライフ(2拠点生活)というコストのかかるライフスタイルですが、食えなくなったら伊豆に引っ込みます(笑)。

ここは年間の居住コストが50万円くらいで生活できます。

電気代・水道代・通信費・管理費・修繕積立金・固定資産税込み(オール電化なのでガス代ゼロ)でこの金額なので、あとかかるのは食費と交通費くらいで年金の範囲内で十分に暮らせます。

65歳から厚生年金も基礎年金も受給手続きを取って、そのままずっと贅沢をしなければ積立投資をしながら何歳まででも食べていけます。そのほか万一に備えた蓄えも、7年間で貯金ゼロから「老後2000万円問題」を完全に解消することができました。でも100%楽しい仕事をしているので引退する理由はなく、万一の時の安心感を持ちながら、ずっと楽しい仕事を続けていくつもりです。

 ―キーワードは働いて、キャッシュを得るということと、年金の繰り下げ需給をして、将来への不安を無くすということですね! 

そうですね!

おかげさまで、メインにしている研修の仕事は1年先までスケジュールが入っていて、声をかけていただける限りは当面、研修事業をメインに仕事をしていきます。仕事の中味は少しずつ、変化していて、年々増えてきたのが定年を数年後に控えた大企業の中高年社員向けの「50代キャリア研修」です。

―具体的に教えていただけますか?

「シニアキャリア研修」とか「ライフマネジメント研修」とか名称は企業によってまちまちですが、狙いは共通で、ズバリ、「50代中高年社員の活性化・戦力化」です。キーワードは「キャリア自律」。

要するに、会社に自らのキャリアや生活を預けて依存するのではなく、自ら会社への貢献や稼ぎ続けるためのキャリア形成を自律的に考えていくということです。背景としては、人生100年時代となり定年後の人生が長くなったこと、少子高齢化による労働力不足がどんな業界でも顕著になってきていることです。

 私が担当する「50代向けキャリア研修」を受講した皆さまからは、「勇気をもらえた」「前向きな気持ちになった」「元気になった」というポジティブな感想の声が多く、なかには「人生が変わりました」と言って、すぐに行動に移す人も少なくありません。老後マネープランの話では、家計全体でキャッシュフロー表やバランスシート(貸借対照表)を作り、「妻の基礎年金を理論最高値にする」(40年フル加入して10年繰り下げて75歳から受給する)ことを勧めると、女性からは絶賛されます。

おひとり様になるのは夫婦のうち女性である確率が圧倒的に高いので、「妻の基礎年金をいくらまで増やせるか」が老後の安心において最も大切なのです。  

―平均寿命は女性のほうが高いですからね。厚生労働省のデータによれば、令和3年で男性は、81.47年、女性は87.57年ですから。

そうです。女性のほうがさらに切実な問題なんですよね。

研修事業のテーマで、次に力を入れているのが、「戦略」「課題解決」「リーダーシップ」など会社幹部や管理職向けの経営に直結するテーマです。

私のキャリアやビジネス経験が最も生きるジャンルなので得意分野です。

世の中の事業環境変化が激しいので、ビジネス書でつねに最新状況をアップデートしていく必要があるテーマなのです。また、こうした研修の受講者がいずれ50代になってくると、「50代キャリア研修」の対象者になってきます。

そのほか、ビジネススキル系の研修も新入社員から中堅社員まで私は幅広く対応します。ロジカルシンキング、ビジネスコミュニケーション、プレゼンテーションなど、全部得意です(笑)。

 あと私の研修講師としての特徴は、前回もお話しした通り、「オンライン対応に強い」ことと、「ビジネス書の紹介ができる」こと。役立つビジネス書を研修後に読んでもらうことで、研修で提供できる付加価値を何倍にも拡大することができます。

ー本を読むだけではもったいない。アウトプットして、自分の発信に生かすのがとても大切だとわかります。

 研修事業をメインにするほかは、コンサルティングは法人向け、個人向けともにオファーがある限り、スケジュールと相性をしっかり確認しながら楽しい仕事は全部やっていきます。幸い個人向けコンサルティングは、私の著書を読んでくださった方から連絡がくるので、特に楽しいです。

―いつにおいても「楽しむ」をテーマにされていますね!

最後に、ビジネス書の執筆は、年1冊のペースで今後も継続して新刊出版をしていきたいです。自由国民社さんからオファーをいただけるなら、ほかの出版社より優先してお受けしたいと思っています(笑)。

今、来年3月刊行予定で6冊目となる『定年ひとり起業ライフスタイル編』(自由国民社)を執筆中ですが、これで私の著書合計6冊のうち半分の3冊が自由国民社からの出版となります。わが社にとっては最重要の取引先です。

―いえいえ、こちらとしても大変ありがたいです! 世の中に必要とされる本を、大杉さんがクオリティ高く執筆してくださるので!

 そのほか、新たなチャレンジとして、今後5年間で力を入れたいと思っているのが、動画メディアによる発信です。

―それ、ぼくも考えてます。先日飲み会で社長に「来年からYouTubeやっていいですか?」といったばっかりです

で、どうでした?

―おー、やれ! と言われました。もしかしたらちょっと酔っぱらってたかもしれませんが(笑)

あはは、でもチャレンジングな姿勢があっていい社長さんですね!

現在は、すべて自前で「大杉潤のYouTubeビジネススクール」というYouTubeチャンネルによるビジネス書の紹介動画を配信していますが、プロのプラットフォーマーから出演や提携のオファーをいただいています。

 定年世代に向けた動画による情報発信は、間違いなくブルーオーシャンでしょう。

―なにせひところ前まで書籍がそうでしたから、動画はなおさらでしょうね

とにかく中高年で動画配信ができる人が圧倒的に少ないのです。動画配信に長けているのは若者ですが、若者にはシニアほど経験がないので、まだ、コンテンツのストックがありません。

とくに定年世代が欲しい年金など老後資金についての情報や定年後のキャリア、働き方、終の棲家などに関するノウハウは経験した者にしか分からないというところがあるので、なかなか難しいと思います。

―知識はあっても、経験しないと悩み、つらさはわからないでしょうからね。

これまでの定年退職者は引退して年金だけで悠々自適の老後を過ごすというイメージがあるので、ほとんど情報発信などしていません。ところが、これから定年を迎える世代は、年金だけで生活していくのは厳しい金額しか受給できないし、そうかといって仕事を続けるイメージも「定年再雇用」以外には思いつかないのです。

 そこで、定年後も楽しく生きがいを持って働きつづける中高年のライフスタイルは、自らのロールモデルとして、とても情報ニーズが高いのではないかと予想しています。団塊世代より下の高齢者は、スマホでYouTube動画を視聴する習慣が急速に広がりつつあり、今回の新型コロナ感染症による外出自粛生活がその潮流を加速させています。

 世の中に需要が急拡大していると考えているので、信頼できる提携先とともに、動画による定年後ライフスタイルに関する情報発信をしていく計画を立てています。当面は、現在のビジネスモデルにプラスして、この動画による情報発信に力を入れていきます。

―とても楽しみです。そのとき、『定年ひとり起業 集客編』やりますか!

いいですね! そのためにも3冊目頑張ります!

 最後に、その先の70代以降のサードキャリアについて語っておきます。70歳~75歳のどこかのタイミングで、ハワイに拠点をもって「執筆業」をメインにした働き方にチェンジしたいと考えています。以前からお話ししている通り、ハワイを拠点にして、ビジネス書の最高峰とも言われ、世界で4000万部を超えるベストセラーとなったスティーヴン・コヴィー博士の『七つの習慣』を超える本を出版したいというのが私の夢です。

 そのためには日本語で書くのではなく、英語圏に暮らしながら英語で執筆・出版したものを日本語に翻訳して日本国内でも出版という形で作品を産み出す必要があるかなと思っています。そのためのステップとして、英語力強化のためにハワイ留学を視野に入れています。以前から考えていたプランとしては、米国の留学ビザで、ますダイヤモンドヘッドの麓にあるKCC(カピオラニ・コミュニティ・カレッジ)へ2年間留学、そこからハワイ大学の3年生にトランスファーして2年後に卒業、最後にダウンタウンにあるハワイ・パシフィック大学大学院に進学する、という計6年間の留学プランを立てています。お金や健康状態との相談になってきますが、状況が許せば、ハワイと伊豆の2拠点生活をしながら、執筆業と新たなYouTubeチャンネルを立ち上げてハワイ情報を発信していくのも面白いかな、と考えています。

 私の人生のミッションは、「世界中の人々に、ビジネス書の素晴らしさを伝えていく」ことなので、70代からのサードキャリアはそこに向かって進み、人生のピークを70歳以降に持ってくるように人生設計図を描いています。こうしたプランを立てられるのは、人生100年時代が来ることを早くから学んで予測し、「トリプルキャリア」という考え方を持って50代から戦略的に準備をして、「定年ひとり起業」という働き方にライフシフトしたからだと思っています。

 来年3月に出版予定の『定年ひとり起業ライフスタイル編』(自由国民社)では、そうしたことをすべて詳しく、具体的に公開する予定なので、ぜひ新刊を楽しみに待っていてください。

―大杉さんの頭のなかどうなっているのかな? といつも思っていましたが、このブログ対談でかなり明確になりました。これは本に書けない部分だったかと思います。

でもいつか、書いてほしいです。大杉さんのエッセイ、出せるようにぼくも定年ひとり起業シリーズの制作頑張ります。 大杉さん4回にわたり本当にありがとうございました! これからもめちゃ楽しみです。 一緒に出版不況を吹き飛ばしていきましょう。

こちらの記事もおすすめ!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です