起業家が、ビジネス書を書く理由、これはもろもろあるかと思います。
前回の上杉 惠理子さんとのインタビューを経て、今一度その目的を考えることは
意味があることなのではないかと思い、本日ブログ発信をしました!
ソリューションの提供
ビジネス書の編集者として、ビジネスをおやりになられている方々の大半が、「だれかの悩みを解決したくて」やっているということを実感しています。
そして、その悩みはかつて自分が味わったこと、不条理だと感じたこと、苦労したことなのだと思います。
例えば、『定年起業を始めるならこの1冊! 定年ひとり起業』の著者大杉潤さんは、新卒のころから自分がやりたかった文筆業を行うために定年前に独立して、ビジネス書作家として活動しました。
しかし、独立しての収入源や、ブランディングなどのノウハウをその時持っておらず、苦労した経験があったため、「ブログを2年間毎日行いましょう」「定年後は好きなことで独立しましょう」「クレジットの三角形をつかって自己の価値を高め収入の複線化をしましょう」とコンサルし続けているのです。
つまりは、以前の自分のように悩んでほしくないから、苦労してほしくないから日々のご活動をされています。
先ほどの書籍はそのコンテンツをもっと世に広げるために、大杉さんが執筆してくれました。目の前にいるクライアントだけでなく、世の中の悩みを解決するために本として体系化して世に出したのです。
ブランディングツールとしての本
ビジネスをおやりになられている方がビジネス書を執筆することで、その他大勢の競合との差別化ができます。1冊につき、6万字から8万字ある本をわかりやすく書くという行為そのものが半年間~1年間の時間を使う事です。
そしてその間、無給です。
それをやる壁が高いので、なかなかビジネスの競合がそれをやろうという意欲がわいてこないでしょう。
だからこそ、出版できると他社・他者との差別化につながります。
ただ、じゃあブランディングのために本をかけるのか? ということです。 僕は絶対に書けないと思います。
先ほどお話ししましたが、「悩んでいる誰かを助けたい」という真剣な思いが無ければ、ノウハウを溜めておくことなどしませんし、顧客の声を溜めておく、そしてそれに対して真摯に答えるということをしないと思います。
そういうことを逐一行い、自らをアップデートするからこそ、人の役に立つコンテンツをセミナーで発表したり、SNSで発信したりすることができるのです。
また、今の時代はSNSやネット発信などがあり、手を抜いてコンテンツを作っていると即座にネガティブレビューが来ます。
つまり本を書く前にしっかりとしたコンテンツをもっていないと、そもそも事業を続けられていないだろうし、事業の実績がなければビジネス書は書けないので、本気でその事業をやり切ろうとしている人間にしか、ビジネス書は書けないのです。
本は信頼度も高く、フローコンテンツがあふれる今日において、体系だったコンテンツを本棚においてもらえる最強のストックコンテンツだと思います。そして、著者は最強のブランディングツールになるでしょう。
しかし、それは生半可な気持ちではできないことなのです。そして、ブランディング狙いでは決してできないものなのです。
本というコンテンツ
さきほども少し触れましたが、本というコンテンツを何故読者に届けようと思うのでしょうか?
・悩みを解決したいから
・存在を知ってほしいから
ということが挙げられるかと思います。
しかし、それだけでしょうか?
自分が手塩にかけた企画です。
やはり、売れたいと思う気持ちもあると思います。
売れると長く書店に置かれて、時を経て、定番書になるでしょう。
僕らは、今書店でドラッカーやケインズ、アドラーの本を手に取り読むことができます。
それらのほかにも数十年から100年以上前に書かれたものを手に取り読むことができるわけです。そして、手紙のようなものです。 それらも人類の悩みを解決するために編まれました。
これらの本のように、自分の人生が、幾世代にもわたり、物語のように読み継がれる可能性があるから、本をみんな書くのではないでしょうか?
そして、それは作家だけの力では無理です。
そこにマーケターとしての出版営業やEC担当が加わったり、類書を読み漁っている編集者が加わったりして、後押しをしていくことで、成し遂げられます。
企画を軸にしてつながる数十人のチームが、古典を作り出す可能性を高めるのです。
ですから、そもそも本を書くということはワクワクする事なのだと思いますし、編集者としてもそれに携わる以上、出版するすべての本に世の中を変える力があると考えて、活動していくと、本もより広がるのかなと感じます。
最後は決意表明みたいになりましたが、以上がビジネスをやっている方が本を書く気持ちなのではないかと考えました。
他にもいっぱいあるでしょうから、これからのインタビューでそれらも深堀していけたら楽しいかもしれませんね。
引き続きなにとぞよろしくお願いいたします。