坂口さんとは4回の対談をさせていただきました。起業して、間もない若手の起業家が何に悩み、何をしているのか、少し明らかにできたのではないかなと考えています。ただ、まだまだ深堀することはこれからも磨いていかなければならないスキルかと思いました。
日々改善していこうかと思います。
今回の記事では、対談して得たものをこれから起業しようとしている人に向けて、まとめていきたいと思います。
そして、最後に次回予告を入れたいと思います。
最後の手段として起業
まずなんといってもこれが世間のもとめる起業家のイメージとの大きな違いでした。
坂口さんは、もともとカメラが好きで、カメラマンになり、クリエイティブを撮影する企業をつくったわけではなかったということです。
そうではなく、組織での働き方になじめなかったというところで起業を考えたというのです。
・結果の出し方に創造性がない
→自分流で良い結果をだしても評価されない
・集団行動が苦手
・毎日同じことの繰り返し
もっと社会にコミットできる、結果をだすことはできるそう感じたから起業をしたということ。
日々ビジネスパーソンとして仕事をしていると感覚がマヒしてくるのですが、確かにうすうす感じていることです。ただ、私の場合は、嫌なことがありつつもそれもいい経験かな、すべて望んだ結果が手に入る訳ではないから当然なのかな、という考えがあり、これらが満たされないから起業するということはあまり考えられないことでした。
ただ、振り返ると、上記三点が解消されたのかと言われれば、今もってたまに嫌になることもあります。
15年社会人をやっていても上記3点は解消されることがないので、「人生1回。やりたいことをやりたい」となれば、独立するということはありなのかなとおもいました。
かつて、私はドリームキラーでした。起業しようとした後輩に「まだ、3年しかやってないからそういう風に考えてしまう。そして、世の中はうまくいかないことのほうが多いから、独立・起業は考え直せ」ということを偉そうに社会人5年目くらいでいっていたなと思います。
しかし、今同じことを相談されたら、「人生1回だから、挑戦してみな」と背中を押すでしょう。
かつての後輩は自分より世の中の仕組みを鋭く見ていたのだなと思いを改めることができました。
他責ではなく自責
これは起業家というより、坂口さんから学んだことかもしれません。
すべては自分の責任。そう考えることでPDCAをしようという気になる、との発言です。
社会人として働いていると、とても大切なスタンスなのに、忘れてしまいます。
いつのころからか他部署のせいにしたり、予算のせいにしたり、仕組みのせいにしたりするようになるんですよね。「なぜ、ひとは動いてくれないのか、なぜ、伝わらないのか」などを自分の何が悪いのか深堀しない限りは同じことの繰り返しになってしまうということは胸に刻まないといけないことだなと感じました。
改善をしないと、顧客がいなくなり、お金が回らなくなる起業家こそ、こういった信念をもってやっているのだなと実感しました。
合うとおもったらやる
これも、僕の起業家へのイメージにはなかったことです。
合うというものはあるだろうけれど、それだけではなく、自分が好きでなくてはその事業に踏み出せないものだと考えていましたから。
ただ、たしかにそういったものに巡り会うのをまっていたら、今の時代はすぐにおいていかれますし、まず実績をつくらなければ何者にもなれないので、合うとおもえばスモールスタートしてみることが必要なのでしょう。
そこで、自分の編集した本も振り返りましたが、たしかに自分も子育て、投資、自己啓発、考え方、交渉術、教養本とかなり幅広く本を編集してきました。なぜやったかというと作家の先生のスタイルが自分とマッチしたからというのもありますが、そういったものも含めて「合う」と感じたからだと思います。
改めて、「合う」ということの重要さをもう一度考えたいなと思います。
坂口さんの今後
坂口さんは「確かにビジネスパーソンだった時代よりも稼げるようになったけれども、5年で10倍の年収を達成したい」と語っていました。日々リスクと戦ってしかし目標を持っているのが、印象的でした。
目標をもつということはとても大切ですし、私もよく考えます。
しかし、ビジネスパーソンは周りの支援あってこそ、仕事を遂行できるという立ち位置なので、個人的な目標って立てづらいかもしれません。
よくステータスで語ることはあります。
例えば、「5年後には主任になって、そのあと3年後には、課長になって…」などのようなことです。組織で働いている以上、指標化できるのが、ステータスということになってくるんです。「自分がかかわっているAという事業を2倍にして、ステークホルダーに還元する」というようなロードマップは一人の力では目標として、言いづらい環境かもしれません。
個人ではそれを決められないからです。
その点、起業家の目標は事業の拡大、多角化、複合化を通してステークホルダーに還元することでありますし、その目標の達成がダイレクトに自分の年収につながってきます。
そういった意味でも「個」としての目標も立てやすいのだなと考えています。
次回は「定年ひとり起業」を深堀します
さて、次回は、私の担当書籍『定年起業を始めるならこの1冊! 定年ひとり起業』の著者大杉潤さんに話を聞いていきます。
大杉さんは、57歳まで複数回の転職をし、そして、念願だった起業を行いました。
経験豊富なベテランになってからの起業はどういうものなのか、シニア世代はとても注目している事項だと思います。
人生は100年時代になりました。
誰でも、いつでもキャリアの再構築をはかることができる時代になりましたし、そうしなければいけない時代になりました。AIの伸長で、いままでやっていた単純作業に人手がいらなくなっています。AI導入によるリストラなんかもよく新聞記事で見かけます。
50代で職をうしなったらどうすればいいのか? 悩むひとは多いでしょうし、悩みは尽きないでしょう。わたしもこれから50代が近づいていくにつれ、不安になっていくので、他人ごとではありません。
ちなみに日本では50~54歳で男女合わせて800万人以上、55~59歳で男女合わせて800万人ほどいます。つまり、この定年後の生き方って1500万人以上の方々が不安な訳です。これらの方々の不安解消のためにも、大杉さんのライフスタイル、人生観が必要だと思います。
次回以降掘り下げていきますので、お楽しみに。
坂口さん、インタビューに答えていただき、ありがとうございました。そして、大杉さん、よろしくお願いいたします。